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遺伝 − ボーダーコリーの理解のために V −

本ページはUSBCC Newsletterの記事を翻訳したものです.
元記事は All About Border Collies サイトに掲載されています.

犬種って何?

 ハーディング・トライアル会場に行くと、こんな呟きが聞こえるかもしれません。「で、こりゃ一体何の犬? あの犬なんて、絶対に色んな犬の血が混じったミックスだよ。本当は1つの犬種じゃないんでしょう?」

 実際、ボーダーコリーは一般大衆の認識とは合わない犬種のようです。多くはAKC認定の姿をベースにした認識ですが。みなさんもよくご存知のように、ゴールデンレトリバーの行列はコピーマシンから生み出されたように見えます。ボーダーコリーの、色の現われ方、サイズ、耳のタイプ、目の形、コートの長さ、、は固定されていません。

 さらに、有名な犬たちの血統書をみると、(AKC 標準でも)別の仮定表現が出てきます。我々の犬たちは「遺伝子的に純粋ではない」のです。 こんな申し立てが「功績による登録」「非登録」さらに(気を確かにもって)「未知」のメンバーたちが偉大なる血統書の中に出てきます。他の犬種だったりもします。特にビアデッド・コリーは、Jock GilchristのあのSpot ISDS 24981の近い先祖に登場します。そのSpotはGilchrist氏にとって3番目のSpotでしたが、Spot 24981の曾祖父である最初のSpotは、1947年のシュープリームで優勝しています。

 彼の母犬はTrim NRです。NRは「No Registered(非登録)」の略であり、彼の孫1965,66年のスコッティッシュ・ナショナル・チャンピオン、66年シュープリーム2位の SPOT 2世の母犬はGilchrist氏所有の犬でしたが、その両親は SWEEP(非登録)とFAN(非登録)でした。

 さてお待ちかね、SPOT2世の孫でボーダーコリーの歴史において他のスタッド・ドッグとともに多くの血統書に登場する SPOT 24981。彼の母方の祖母 Ann は初代Spotの姉妹でTrim(非登録)の娘です。

 さて、もしボーダーコリーが外見の相似点でブリードされたのでなく、遺伝学上の純血的意味を持たない犬種なら、では犬種とは何でしょう? 先のトライアル観戦者が正しいのでしょうか?

 遺伝学者による「種」とは、単純に、繁殖がコントロールされアウトクロッシングが限定されたある特定の動物のことです。すなわち、そこに遺伝的選択が行われていると言えます。素人には難解な専門用語でしょうか? そうかもしれませんが、でもその意味するところを考えてみましょう。

 特定は、犬=canis familiaris の分類。コントロール繁殖と限定されたアウトクロッシングとは、前の章で書いた通り、組織的ブリーダーが選択可能なある遺伝的特徴です。「組織的ブリーダー」とは限定表現が必要のようです。1ブリーダーでは、1犬種を創るのに十分な犬を世に出すことができないし、多くのブリーダーが違う方向性を歩んでしまえば、ある方向へ従う繁殖は決してできません。

 そこで、ほとんどの犬種が「登録」ある種の「スタンダード」の車輪の中にいるのです。犬種の理解の始めの一歩として、スタンダードのタイプが含まれています。それは上記のように外見上のスタンダードですが、もちろんこれ1つではありません。ボーダーコリーのようにパフォーマンスをするようブリードされた犬種を認知し理解するのは経験の浅い者には困難ですが、外見上のスタンダートと同程度に厳格なものです。

 BBCテレビのコメンテーターであり「My Faithful Friends」の著者である Eric Halsall によると、

「コリーは、クラフト・ショー・チャンピオンを創り出すよりも遥かに注意深く、また専門的な見識を用いてブリードされてきた。」
のです。

制限なしのアウトクロッシングが、あるスタンダード(*基準)の選択試行に干渉する一方で、限定されたアウトクロッシングはブリーディングのゴールに到達する価値ある手段と言えるでしょう。

Scot とFuller はその偉大な業績「Genetics and Social Behavior in the Dog」(*犬における遺伝と社会的行動)にて、パフォーマンス犬種のブリードには、制限されたアウトクロッシングが絶対不可欠だと述べています。ある特殊犬種を作るには、必要な単一の行動特性を組み合わせていくしかないとのこと。

たとえば、レースの目的だけに作られ保存されている最強のスレッド・ドッグであるアラスカン・ハスキーは、厳しい北の気候に耐え、ハーネスをつけて速く走れる犬の組み合わせが元祖とされています。

 近代BCの発展の歴史は、コーシング・ドッグ、ゲーム・ドッグ、ガード・ドッグなどの広いバラエティの犬たちの行動特性を集めた1つの組み合わせで、その融合が世界一のハーディング・ドッグを作り上げたのです。

 しかしながら、他の犬種はこれとは相反する方法で作られました。たとえばベルジアン・シープドッグは、19世紀の初頭にヨーロッパで牧羊犬と呼ばれていた様々な犬たちの幅広い集合体から選択された長毛/黒色のオスと長毛/黒色のメス の交配から生まれたものです。

 近代 ベルジアンがどのような個体でも、かつての種と同じワーキング・アビリティを持つとは決して言えません。

 BCは 外見・遺伝子の純粋性が標準化された犬種でしょうか? そうとはとうてい言い難いですね。 では、BCは ある1つのゴールを目指して改良と遺伝的選択が行われた 犬種でしょうか? 

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